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本のことを書いてあるブログ

豊かな人間像/ベルト・モリゾとメアリー・カサット

おはようございます(⊃´▿` )⊃

昨日からこちらを読んでます。




印象派の女性画家として有名なメアリー・カサットとベルト・モリゾの画集です。unlimitedにてダウンロード。
印象派の本を読んでいるとゴッホ、モネ、マネ、セザンヌ〜などと並んでちょっとだけ取り上げられているこの女性作家、「女性画家は珍しいから紹介されてるのかな?」とはじめは思いがちだったのですが全然そんな事はなく見ていてとても面白いです。こちらはカサットの絵の切り取り方がすごくおもしろかったので気になってダウンロードしてみました!

モリゾはマネから指導を受け、カサットはドガと親交が深かったなど男性作家との交流もあったようですが、経歴を見ているとその関係はストイックですね。モリゾはマネが自分の絵に手を加えようとしているのを激怒したが、抵抗できなかったなどというエピソードなどあります。マネが描くモリゾなども何点かありますが、ぱっと身だとモリゾは身分の高い、綺麗なお嬢様にしか見えないのですが、真摯に絵に向き合っていたモリゾの姿がみえてきますね。マネは弟子の絵を描いたりもするのですがモリゾの絵は単なる女としてしか描かなかったのに、他の弟子のことは画家として描いたということにモリゾはプライドを傷付けられます。
自分たちから見ると単なるいじわるなんじゃない?みたくも思えてくるんですが。
その後モリゾはマネの弟と結婚します。
モリゾの絵はとても印象派らしい絵で、光や水の動きに注目して描かれているものも多いそう。ただ見てるだけで色んなことを思い出させてくれる詩情豊かな絵です。

まだきちんと読み終えてないんですがそれからカサット。
メアリー・カサットの絵は人物の切り取り方がすばらしく面白いのです。


メアリー・カサット - Wikipedia

わたしはここに出てくる「お茶」という題の絵を見てすごくいいなと思ったんですが、
カサットが人物を描くとき、あ、子どもって、人って、おんなってこういう動きするよね!っていうようなシーンを、をザ・モデルという構図ではないユニークな視点で切り取っているんですよね。
「お茶」の前面にいる男の子もちょっとぐでっとしてます。たしかに子どもの集まる場に行くとこういうようなのが九割くらいをしめてます。笑
ドガのバレエ練習の絵を思い起こさせるような「ザ・人間」的な表現を感じられます。すごく好きな感じです。

画集を見ていると参考にした絵とカサットが描いた絵が並んで載せられていたりもするんですがどれも「カサット風」にまるきり変えられていたりして、これが面白い。べつに皮肉な表現なんてどこにもないんですが「あなたにはそう見えてるのかも知らないけど、でもほんとの人間て、こうやろ」って言われてるような感じになってきますね。それにそーそーって言わさる。こういうのは多分、色んなことを面白がって見たり聞いたりしていないと出てこないことだと思います。

カサットは生涯結婚はしていませんが、女性や子どもの絵も多く描いていて、そのどれもが女性にしか描けない雰囲気を持っています。
この二人は、ちょい紹介では済まない、印象派の中でも個性豊かな画家なんだなーと思いました。







まーそんな感じで興奮気味で印象派の絵を楽しんでおりました。

印象派からちょっと遅れてクレーの絵があるようですが、こんな本も借りてみました。

クレーの絵本

クレーの絵本

谷川俊太郎さんの詩とクレーの絵のコラボです。
こういうのはとても面白い。

わたしも黄金の魚っていうクレーの絵がすきなので、何故好きなのかを考えてみました。もしかして紺色が好きなだけで選んでいるのか?とか、配色が好きなだけなのか…?とか。なんで魚が黄金なのか…?とか
谷川さんの解釈も見つつ、こんな風に光って見えるの現象は最近思うようになったけどそれは、心と繋がっているからそれが光って見えるようになったのだと思った。
それはつまり、海の中の、闇の中の魚は有無を言わさずに美しいに決まっている。フォルムとかも研ぎ澄まされた形に決まっている。けど、人が目を持ってそれを見るとき、それはひとつの具象としてのかたちを超えて、心に投げかけてくる「かたち」をもう持ち始めている。だから光って見える。
闇の中にある「それ」、それが見る側からすると愛着になり変わる。そういう絵なんだと思う。
まあでも紺色とか青の絵が好きになりがちではありますね。



ただクレーの絵を見た後でゴッホの絵を見ると何かよくわからないけどすごくホッとしたっていうことがあって、それも考えてみたのだけどゴッホの場合は画面上にすごくいろいろが溢れているからかもしれない。クレーは、可愛いんだけどクレーをクレーの目を持って見てあげるという気持ちがないとなかなか読み取れないのである。
特に晩年はなぞかけのような絵も多く、絵画上級者でないとどういうことか分からない感じがあります。頭で理解して→多分こういうことかな?て読み取る働きを経ているような…
ゴッホはモチーフや存在もおのずと溢れて来ているんですよね。ゴッホは初心者でも分かりやすい絵だから人気があるのかもなーと感じたりしてました。
「ホッとした」ていうのは例えるなら、すごく狭いとこから開けた花畑にぱっと出てこられたみたいな感覚。まあ普通に、モチーフもそうだし、色味も強いのがゴッホなんですけども。そういった、コミュニケーションを廃してもなおかつ訴えかけてくるようなものが多分あるんだなと改めて感じました。

そんなふうにまわりまわって見てみるとまた良いとこがわかったなーと思います。