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本のことを書いてあるブログ

ビブリア古書店の事件手帖④江戸川乱歩のこと

ビブリア古書店の時間手帖④

 

読み終わりました。今回は謎解き多め、江戸川乱歩のシリーズが多く引用されていました。

 

『うつし世はゆめ 夜の夢こそまこと』

 

江戸川乱歩の残した名言だそうですが、フィクションを作る、読む、楽しむことを少しでもする人なら理解できる、けれどどこか危うい言葉だと思います。

フィクションを作ったり没入していくのってって楽しいですよね。空想の世界、虚構の世界・・・ラジオ、テレビで流れている物語も、もしかするとある意味でそのくくりには入っているかもしれない。自分の生活という太いベース、それからそこに何の影響も与えないであろう、単なる絵空事に対する距離の取り方は、こういったものを楽しむなかではいつも気になる部分だと思います。

それを共有する相手がいるのなら、たちまちその悩みも解消されてしまうのかもしれない。

けど逆にだけど、人間が意識的に暮らし過ぎているのかもしれないなあとも思います。もっとぼんやり、っていうか、意味のないことに対して意味を見出してもよいのではないだろうか。

と言いつつも、自分の場合は毎秒でそういう矛盾とか進行具合が気になるたちなので、ぜんぜんおおらかには生きられないのである。(むしろ、だからこそこういうことが口をついて出るんでしょうね。言い聞かせるように)たとえば、お金にもならないし、社会的役割に入り込んでこない部分にある自分のこういう探索的な行動は、はっきりいって生産率がゼロパーセントだといってもよい。

まあ、べつになくても生きられるんだろうな・・・というのから、いや、でも、必要だし、なければ生きている意味がないというところをゆれている様な感じだと思います。

まあ一人でいるとき「作家ごっこ」みたいなテイストで、紅茶淹れて眼鏡かけてパソコンに向かって、作家を気取ってばしばし書いたり読んだりするのは楽しいんですよね。

もしそれが人に影響を与えて、お金を生み出し、それからアイデンティティに結びついて行ったとき、どんなふうに見え方が変わるんだろうか。

 

 

乱歩の作品

で、「孤島の鬼」「人間椅子」「江戸川蘭子」(作家陣が集まって書いた短編集らしい)「押し絵と旅する男」などなど、江戸川乱歩の作品がいくつも紹介されています。江戸川乱歩がミステリーファンの中で名高いということはミステリを読んだことがなくても想像がつきそうですが、その作品内容を聞いているとつねに新しいものを見つけだし、概念として世の中に提示していくようなタイプの作家さんだったんだなあと思いました。そのため、乱歩の作品は後世の作家やミステリー作家などにも影響を与えているよう。「人間椅子」ってすごいおもしろいタイトルですよね。うわさではちょっとグロめ・・だとのことだったので二の足を踏んでいるけど、一週間くらい暇ができたとしたらぜひどっぷりとはまりこみたい世界観・・・

孤島の鬼や人形の話も面白そうだった。

 

自分が印象に残ったのは、江戸川乱歩が自作に対して驚くほど低評価だったという点。そのため、「原稿用紙をトイレで破り捨てた」というエピソードもあるんだそうです。

 

ビブリアの内容的には、主人公達の進展が少しあったのと、主人公の母親が登場した、というのとがありました。人としてどこか危ういことがありつつも、ある部分にはまり込むと強いたち、って何か理系っぽい。

今回は謎解き多めだったのでたぶん4割くらいしかちゃんとわかっていない気がします。

 

しかし全然二人くっつきませんね。私だったらあの押し入れ入るシーンでしおりさんのスカートめくれるくらいのエピソード入れてしまいそうと思ってしまった。一巻まるまるとおして最後にやっと告白一言って修行僧並みの耐久力か・・・!と感じてしまった。そう考えるとすぐにキスシーン、セックスシーンを入れるっていうのは、作者がはやめに世界の調和を求めているだけなのかもしれない。自分の場合そう。むしろ調和しか求めていない。

みたいなことを考えていた。

 

今後

いま、読もう&読み直したいと思っている本・・・

嵐が丘

・バーナード嬢のシリーズ

・予知夢/東野圭吾

 

・植物はすごい!

 

東野圭吾にはまっているようなので、もしかするとガリレオシリーズのビデオをわたしは借りに行くかもしれない。けど柴咲コウかあ・・・自分としては「相棒」のようにがっつりクドい感じの絡みを見てみたかった・・

というか、東野さんはガリレオシリーズでないものもたくさん出されていますね。知るまでは「人魚の住む家」とかもぼんやりと文庫本の解説を見ている感じだったけれど気になっています。

時間(とやる気?)さえあればなあ~

 

出版社

ところでバーナード嬢にも出ていましたが、出版される出版社も最近微妙にチェックするようになってきた私である。

古本屋情報のみで申し訳ないけれど、やっぱり「文芸」が強いところと、「少年向け漫画」「ラノベ」それぞれのジャンルによって出版社の強みが違うっぽいのである。

(常識でしたか?)

集英社、全然小説出していないと思っていましたが、見ているうちに普通に出していることに気が付きました。江國香織さんだとか。

 

 

 

そんな感じです!