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本のことを書いてあるブログ

江戸川乱歩名作選(新潮文庫)を読みました

江戸川乱歩名作選(新潮文庫)読み終わりました。

江戸川乱歩名作選 (新潮文庫)

江戸川乱歩名作選 (新潮文庫)



載っているのは、

石榴
押絵と旅する男
目羅博士
人でなしの恋
白昼夢
踊る一寸法師
陰獣

です。

推理小説ももちろん、目羅博士や押絵と旅する男のように心象風景的な小説も収録されているのが面白かったです。とくに「目羅博士」の、事件の舞台となった場所なのですが建物と建物が不思議な配置で建てられたことで人外のような雰囲気を持ちそこに人が引き込まれていくというさま…後からでも思い出しそうなほど印象的でした。この場所が偶然あることで人の暗い部分が引き出されて起きたような事件だったのですが、そういった場所の力っていうのはあるのかもしれませんね。
この江戸川乱歩着眼点マニア的な感じがファンを捉えるのかも?
いろんな場所へ行って実際に見たり聞いたりすることでイメージが膨らむのかもしれないですね。「押絵と旅する男」も推理小説というよりも小説の雰囲気があります。

「人でなしの恋」と「陰獣」はわたしの持つ江戸川乱歩のイメージ(第三者的目線で書き起こしながらも、引き込まれていく内容の濃さと、トリックが何回もひっくり返される、トリック狂的な感じ)の小説という感じで満足でしたが、なんとなくでも人の深層にありそうなもので、まだ書かれてない部分を引き出してくるのがうまいです。

「陰獣」もそうですが冒頭の「石榴」も、一度あばいたと思った推理がその後数回は覆されるような話で、明智小五郎が初登場した時も同じような流れがありました。「陰獣」で推理を説いていくのは被害者の奥さんに想いを寄せる小説家なのですが、そんな不安定な設定の人が推理小説家が巧妙に用意したトリックを暴いてくこと自体本当にそれは単純に予測、こうあって欲しいというのでしかないんだなあと改めて思わされたのだった。周りの状況、証拠を汲んで形作る、頭の中であれこれ考えている時点で事実らしいそれは完璧な虚構でしかないんでしょうね…そう考えると今の世界もそうなのかもしれない。周りの人がいくらAさんについて語ってたとしても自分がAさんと会ったことも話したこともなければAさんは永遠に存在しない人でしかない。そんなことも、けど、まかり通る世の中になりつつあるのかなあと思います。
明智小五郎の推理では嘘発見器を使った、トリックの方ではなく自白に目を向けた暴き方もありましたが…こういうそもそも、それが現実的に成立するのかという疑問に感じる部分にも食いこんで描かれてるので読んでいるとスッキリしますね。



それから、買った本です。

超ちくちくウニウニ

いま、吉田戦車を世間というものから遅れて読みあさってるのですがとりあえず

ちくちくウニウニ→感染るんです→殴るぞ

の順で辿っています。わたしが立ち読みしていたの、感染るんですでなくて「殴るぞ」の方だったかも??Amazonで探してみたのですが文庫版が売っていなくて中古のものが品薄である感じでした。とりあえず、とびとびで購入。
「感染るんです」は5巻以外読み終えました。感想としては「吉田戦車」でしかない…そんな感じです。さくらももこの野口さんていうキャラクターもじつはかわうそくんから来てたのかな…みたいな何か自分の知らなかった部分を知った気がしたりしてました。

感染るんですのほうが濃くて、ちくちくウニウニはもっと、初心者も読めるかわいらしいタッチ。(笑いはそのまま吉田戦車です)ちくちくウニウニではわたしは貝柱さんが好きです。

殴るぞ! 1 (BIG SPIRITS COMICS SPECIAL)

殴るぞ! 1 (BIG SPIRITS COMICS SPECIAL)

  • 作者:吉田 戦車
  • 発売日: 2002/09/01
  • メディア: コミック



Kindle Unlimitedの方も久しぶりにチェックしてみたのですがかなり更新されていたのでダウンロードしました。そして結局虫図鑑とかを夢中で読んでいたりする…