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本のことを書いてあるブログ

俳句日記

引き続き、俳句歳時記を読んでいます。今は秋ですが、ふと見ると夏の章の植物の部分を読んでいなかったためおさらいしつつ、秋の部分も詠んでみました。

 

 

薔薇の花出で来るまでを額歩き

 

 

晴れめくり過ぎて筍雨も着る

 

 

出席簿順指されけりパン黴は

 

 

秋暑しあらためて鉄や釘を打つ

 

 

心が身よりも大き秋の暮れ

 

 

「薔薇の花」なんですが江國香織さんのエッセイを読んでからどこかのお宅に咲いている薔薇の花が気になって見てしまいます。薔薇の花って人に送る、もしくは一輪でも豪華な花、というイメージがあったりしますが、本当は薔薇の木という木に咲く花であり、庭先に咲いているのを見ると花屋さんで売られているのとはちょっと印象が違いますよね。木の中に咲く薔薇って野生の感じがあるし、紫陽花や他の大きな花と違いもっとさり気なく咲いているかのような。そういう感じをエッセイで知り、何か薔薇の花が好きになったのでした。そういうイメージというのは色々とあるもので、俳句歳時記の文字を見ているだけでも楽しいです。

で、薔薇についての文を読んでからそういえばうちの実家にも薔薇の木があったなとかそのほんとうの薔薇の姿みたいなものを人の庭先でも見たくなってしまうのだった。うちの実家にあるやつはだいぶ萎びたようなやつでしたが…本当、精神世界みたいのを少しも気にしていないような家だったので。

 

ところで最近は眠くて眠くて何か一日中眠い感じがしています。例えば夜にしてもせっかくお酒を飲みたくて買って帰るのに、もう十時過ぎると眠くてお酒を楽しむ気にもならず、何かほうじ茶みたいなものを飲んで直ぐに眠りたくなってしまうのである。

 

 

俳句歳時記〜秋の入り口

久しぶりに俳句歳時記を読んでいます。気が付いたら季節はもう秋に入っていました。

 

 

今はじめる人のための俳句歳時記 新版 (角川ソフィア文庫)

今はじめる人のための俳句歳時記 新版 (角川ソフィア文庫)

 

 

 

秋…立秋(八月八日頃)から立冬(十一月七日頃)前日までをいう。

 

この「秋」というのは暦の上のもので、生活実感とのずれがあるということも書かれています。俳句の上ではこれから来るであろう秋を頭に置いて読みつつ、けど実際にはまだ夏でいるのだというのは共通した認識のよう、というところが面白いと思います。

 

九月はじまる無礼なる電話より/伊藤白潮

 

 

七月をあらわす「文月」は七夕の文を開く文披月の略として使われているそうです。

※七月ー文月、八月ー葉月、九月ー長月

 

奔放に雲をぬぎすて葉月富士/宮下翠舟

 

長月の古りし楽所の雨雫/宇佐美魚目

 

 

新涼…「涼し」が夏の季語で、「新涼」が秋の季語。

 

湖見えてより新涼の湖西線高浜虚子

 

 

湖西線というのは鉄道路線の名称だそうです。

 

何かこの秋の入り口にある季語には夏から秋へ移る時の葛藤が垣間見えますね。季節の移り変わりを感じつつ、古来に想いを寄せ、俳句作りをしている人に共感を感じて詠んでみるのが楽しそうです。

 

 

作るときの苦しみ

 

ここのところ、短歌、俳句に触れない日々を送っていたのですが、久しぶりに作ってみると全く感覚が戻らないのでなかなか焦りました。こういうもの、一日だとしても離れてそのご再開してみると「毎回、全く乗れなくなっている自転車」みたいな感じがして怖かったです、「ぜんぜんやり方が分からない、、、はあっ!はアッ!!」みたいな感じが一人でしていました。そういう時はとにかく分からないままに試行錯誤するしかないですね。本当に「つくる」と「よむだけ」って全く違いますよね。サボってるあいだずーっと自分のやつをこねこねいじいじして遊んでいましたが楽しさしかなくてまさにこれはお楽しみタイムだったと思った。

「ぜんぜん出来へんやん」、それで一度でもちゃんと出来たという実感があればセーフ、出来なければもう二度とやりませんっていう精神状態になります。その、単に五分くらいの時間なのだけど無我夢中で崖を登る原始人みたいな気持ちになっています。

 

 

最後に拙句をば。

 

 

ブレーキに九月の卵達押し寄せる

 

文月に芋炊く夢の中炊ける

 

 

 

 

 

最近買った本

最近買った本

 

 

もの食う話

 

こちらは古今東西の作家達が「ものを食べる」ことに焦点を当てて書いた短編のアンソロジー的な本。荷風吉行淳之介筒井康隆氏なども参加しています。未だ読んでいませんが「食べる」事、行為に以前から興味があります。

 

 

シズコさん/佐野洋子

 

「100万回生きたねこ」で有名な佐野洋子さんのエッセイです。佐野洋子さんのエッセイ文を知ったのは、NHKの深夜に放送されていた番組ででしたが、こちらも力強い文章。

 

 

絵のない絵本/アンデルセン

 

こちらはたしか、江國さんのエッセイで紹介されていたような気がして、立ち読みしてみて書いました。

昔の寓話って不思議ですね。意味があるのかよくわからないような抽象、風景を追っていき、作者の心理を探るような感じで読み終えました。

 

 

大人の問題/五味太郎

 

五味太郎さんの本は子どもの頃からよく読んでたため、今でも手に取る事が多く、そのどれもが印象に残っています。こちらのエッセイを読むと五味さんは幼少時から繊細な視点のある方だったんだなあというのが分かります。

五味さんについては以前、弟子になりたいという人が現れたとき「市松模様を◯◯数書いてこい」と言った、というエピソードを思い出すんですが、あれはどこに書いてあったのだろう。

 

模倣犯宮部みゆき

 

はじめて宮部みゆきさんの小説を購入しました。宮部みゆきさんは最近では「希望荘」を周りのおばさま方がこぞって購入しているのを見ていて、けど内容がなかなか辛い部分があると聞いていたので買うのを躊躇ってましたが、タイトルに惹かれて購入です。

楽しみです。