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本のことを書いてあるブログ

イワン・イリイチの死/トルストイ

ダ・ヴィンチ・コード(中)まで読み終わりました。
調べてみた所によると、同じダン・ブラウン著書の天使と悪魔っていう本もあるらしく、この2作を同時に読んで行くと良いらしいですね。気になったのでレビューの方をちょっと覗いてみたらダヴィンチコードの方にも出ているロバート•ラングトンが主人公になっているみたいで、内容についてももしかしてちょっとネタバレ?的な部分もあったのでレビュー読むのやめました。
下巻が終わったら読んでみようかな?

何かDVDの方著者がトム・ハンクスみたいに見えますね




それからAmazonunlimitedの方でトルストイイワン・イリイチの死読み終わりました。

裕福ながらも平凡な幸福に恵まれ育ったイワン・イリイチという男が病で死に、その葬式に友人達が招かれるというシーンから物語は始まります。それから彼を取り囲んでいた家族や友人が彼の死体を覗き込みに来ては彼が死んだと言うことをそれぞれに実感してゆくのですが、それ以降はイワン・イリイチの目線でその死に向かって行くときの状況や感情などが、彼の人生を見る目線と共に徐々に暴かれていく…ていうテイストで書かれています。なんていうか、「死」について、それが単に生命が消えるだけでなく思考する人であるがゆえについて回る人生観=苦悩であるのだ、ていう視点から本当にこれでもかと言うほど考察されているような小説で、読み応えありました。

人生の内容について述べるということ、確かに人といえども記述をもって解剖図を描いてみたらだいたいこんなものになるのかな…っていう感じも、もしかしたらあるかもしれません。

不思議ですよね。希望や夢、そういう明らかなものが必要なのかなというよりも、そもそも情緒がなければそれ自体は外枠でしかないのかもしれません。



こちら、2話収録ものだったようで冒頭でイワン・イリイチが死んでる後からかなりページが進んでから、もう回顧のなかでもまた死んでしまうっていうところでも全体の20%くらいしか進んでいなかったのでいったいどうなるの?どうなるの??と思ってたんですが単純に2話収録だったので、37%以降から別の話が始まってました。






あと、買ったのは闇の左手という本

この本は、バーナード嬢曰くっていう漫画に載ってたSFおすすめの本です。始まりの部分、ちょっととっつきにくいかな…ていう感じ。多分世界観を構築するところから始まってるんだと思います。



で、話は変わりますが実は1984と電気羊(?)なども同様に解説が面白そうと思って買ってみたんですがどれも,全然読み砕けなくて読んでなかったりしている。1984については、解説で出てくる単語、周りからの宣伝、説明するときの熱量がいちいちすごく面白そうなのに,読んでみるとモヤ〜と書かれてるだけに見えてそれが何なのか誰が何してるのか分からない。結局漫画で読破の方で私は読んでみました。それでやっと意味が分かった感じなんですが本の方は未だ読めてません。
こういう、宣伝&解説を読んで以降本というほんものの人格には触れる気が起きないの、結局他人の頭でまとまってる状態の方が面白いような感じがしてるんですが、一体どうなんでしょうか。
読めよってな。

あと多分書くのを忘れてましたがドグラ・マグラもようやく読み終わりました。

ダ・ヴィンチ・コード(上)


ルーヴル美術館の館長であるジャック・ソニエールが不可解なメッセージを残し殺された。
そのメッセージはソニエール自身の身体を使ったもので,暗号と共に美術館のある場所に残されていた。それを解き明かすため、フランス司法警察のファーシュから呼ばれたのはハーヴァード大学教授のロバート・ラングトンだった。ラングトンは大学で宗教象徴学を専門にしており、それからこの事件と深い関わりを持つ宗教が信仰しているある思想、すなわち女性信仰への研究に深い知識を持っていた。

「五芒星は」ラングトンは説明した。「キリスト教以前の自然崇拝にまつわる象徴です。古代人は,世界がふたつの側面を持つと考えていましたーー男性と女性ですね。男神と女神が力の均衡を維持すると見做していたわけです。陰と陽。男女のバランスがとれていれば、世界は調和が保たれる。バランスが崩れれば、混沌が訪れる」ソニエールの腹部を示す。「五芒星は、万物の女性の半分ー宗教史学者が、“神聖な女性”や“聖なる女神“と呼ぶ概念を表します。ミスターソニエールはその事をだれよりもよく知っていたはずです」
「自分の腹に女神の象徴を描いたって?」

暗号を解き明かすために呼ばれたラングトンだったが,そこに一人の暗号解読官であるソフィー・ヌヴーという女性が訪れることによって、事件の新たな側面が見えてくる、、


物語はラングトン、ファーシュ、ヌヴーが出て来る殺人現場の場面と、それからこの殺人事件の裏に関係しているであろう宗教オプス・デイの信者であるシラスが探している何かや、その司教が飛行機に乗り込む旅路のシーンも同時に進行して行きます。

「オプス・デイはよく洗脳カルトと言われますが」「超保守的なキリスト教結社と呼ぶ人もいます。どちらなのですか」
「どちらでもありません」司教は辛抱強く答えた。「わたしたちはカトリックの一派です。日々の暮らしのなかで限りなく厳格にカトリックの教義に従うことを旨とした、カトリックの信徒団なのです」
「神の御業には、きびしい貞潔の誓いや高額の寄付、それに自分を鞭打ったりシリスを身につけたりして罪を贖う行為が必要なのでしょうか」


このオプス・デイにまつわる不穏で謎めいた信仰組織の雰囲気もありつつ、それからファーシュのように単純に成果を上げるためだけにラングトン逮捕に躍起になるあまり誘導尋問である答えに導こうとするみたいなサスペンス的展開の中でラングトンとソフィーの二人はなんとかお互いを信用することで真相に辿り着くために謎を解き明かして行きます。物語のなかで多分キモなのはこのラングトンが専攻している象徴学という学問にあると思います。これは、大体ではありますがヨーロッパの方のあらゆる宗教、芸術の部分に見られる古代の人間が自然や生物などとりまく万物の中から取り出した最初の方にあるかたちや概念が連綿と続いている歴史の中で私たちにとってどういった意味合いを持っているのか、あちこちでどういった思想とつながりどういう働きをしていたのか…のようなことを研究する学問なんですが、ラングトンはその中でも堅物な考古学者というよりは若干やわでバブリーな研究者で大学教授という感じで描かれています。そのラングトンと現場肌(?)で頭の回転が早い女性暗号解読官のソフィーヌヴーの折り合うとこやソフィーの正体なんかも多分キモなんだと思います。

私はかなり以前映画の方でダヴィンチ・コードを観に行ったことがあるんですか,その時は難解だなっていう印象であとトムハンクスが出てたということくらいしか覚えてなかったんですが,小説の方を読んでみるとまずは謎が提示されて,それから次々と謎解きや登場人物の生い立ちなど意外な側面から事実が徐々に明かされていくというミステリの趣向で話が展開して行くのが面白かったです。江戸川乱歩みたいな、それから以前読んだことのある羊達の沈黙にも少し似てるのかもしれないです。羊たちの沈黙ではバッファロービルと呼ばれる犯人が自身のためだけに女性を殺し,その皮を剥いでは衣服を作ることで自身も女性へと転生しようとするという不可解な事件があり、その真相をクラリスがレクター教授と共に暴いて行くというお話なのですが、その犯罪の動機それ自体もそうですがそれを暴いて行くこちら側の解釈、印象みたいなのがそれが人間の深層にある闇と光の部分に通じてるようで面白いと思います。その時は生物という括りで読んでいたと思うんですが歴史物,宗教ものも人間の奥深い精神に通じてるのがおもしろい。
羊達の沈黙/やめさせることはできないについて - 名前を付ける
そういった、象徴というものも芸術というのも信仰も基本は理念など目には見えないものなのに時に現れては人を何かを破壊するほどの因縁も持ち得れば,けれど普段は生活の中にひっそりと存在していたりする信仰でもあるものだったりするようです。

それから…この本ではレオナルド・ダ・ヴィンチについても色んな事が書かれていて、その中でも超有名なあの絵画モナ・リザに含まれている確信犯的な謎についても書かれています。多方面での天才で、芸術家としても誰もが知るレオナルドはじつは同性愛者でもあったようなのですが、この「謎」がソフィーの生い立ちにまつわるある出来事とともに解き明かされるシーンは読んでいて鳥肌が立ちました。その愛着というものが人間の根底にあるものと何ら変わらず私たちと共通するようなかたちとして発されていた…のかもしれません。この、人の持ち得る真実がだれの目からも見える状態で、謎に包まれていると言う事を知ったときには芸術やレオナルドダヴィンチへの見方が変わるかもしれません。
このモナ・リザに関する解釈は、暗号解読官のソフィーの生い立ちとともに面白い部分なので本編でぜひ読んでみてください!

ひさびさ、本読みました日記

半月前位ですが久しぶりに古本屋に行ってきました。



二回くらい断念したことがあるんですが再読みしてます。

いつも読んでいる養老孟司さんの本

面白かったです。まだ読み終えてないですが。

最近話題なので買ってみました。
童貞ということにコンプレックスを抱いている主人公と、その友人が人を殺して捕まり収監されることになったのですが主人公が友人の生まれたばかりの子どもを預かることになり童貞のまま男手ひとつで育てるという話。ラブコメ要素が多くちょっとリアリティに欠けるんですがとにかくお母さんとお父さんが誰だか分からないというのがキモなストーリーなようです。子供が高校生?くらいの時期から物語が始まります。

学生のラブコメだけでなくて子どもと親の関係のところから描かれていて、親がいなくて…てところから始まる話だと昔のりぼんとかであったこどものおもちゃとか思い出しますね。あれで「タテ読み」っていうものを初めてわたしは見た気がする。うさぎドロップも割と大きくなってから読みましたがあれは面白かったです。

何巻なのか分からないけど買いました。
主人公が女の子なのもかわいくて面白かったです。

林真理子さんの本面白いので読んでみて下さい。

これは、教養のために買ったんですが読みやすかったです。


それからバーナード嬢曰く。っていう読書名言についての漫画(と言いつつ,SF〜古書、マニアックな本含むいろいろな本が紹介されて行く漫画)を読み直してたんですが、私も読書レベル0くらいのところから「そうだ本,読もう」と完ぺきに思い立ったあとで結構色々読んできたなあってところから、でもある日唐突に古本全てを燃えるゴミに捨てるところまで実際の感情まみれになって経験したあとで、改めてふと他人の進捗みたいのを覗いて見たらまだまだ私の読書経歴なんて生まれてないも同然なくらいしか読んでなかったんだな…ってなんか改めて思ってました。

けどこういう本の中で「読者家」って言われている人を見てみて、自分はそれとは対極に居るような感じの人間だったんですが意外だったのは、読書家も読書自体めちゃくちゃ好きでやってるわけじゃないっていうところでした。やっぱり思うところがあるから読んでいて、読んでて疑問も感じるし、腹が立つこともそれはあるんだなあって。けど「何か面白い事書いてあるかも」っていう純粋な知的好奇心っていうか、読書というフレーズならば迷い自体全て内包される…みたいな信念がオタクみたいに転がりながらあってってところがある意味心地いいんだなと思えるのが良いのかもなと思います。