名前を付ける

本のことを書いてあるブログ

陰翳礼讃…グチっぽくなる。

谷崎潤一郎/陰翳礼讃


読み終えました。序盤は日本家屋のことから始まり、廁、それから女性なども日本形式の美というのは陰翳、暗闇を含むものである…という谷崎潤一郎の持つ美意識に関する随筆です。
もともとの日本家屋というのは白い壁、蛍光灯で隅々まで照らされたものではなく暗めの配色で暗闇の中で、自然の持つ暗みがかった食器を使い生活しその間見えなくなる部分に対してまで働く想像力や音、知覚によってにおいたつ美を感じるもの…など。食事の記述は谷崎潤一郎の美しい緻密な文体が味わえてわたしは小説の方よりも分かりやすく読めました。面白いです。トイレへ対するこだわりなど、谷崎が家を建築するときにこだわった部分や日本情緒に関する愛着がとてものってて面白かったのですが女性のところまで来ると雲行きが怪しくなってきますね。日本男性の女性観がまるままで出てきてると感じてしまいました。わたしは思うのだが、醜いものを記述するとき、自分の醜さがまったくもって消え失せて感じているようなその感覚は一体何なのだろうと感じる。わたしは「筋肉隆々」と表現しております。
そんなこんなで読んでいるうちになんとなく、ふに落ちなさが感じられてくるのは一体何故なのだろう、と思うに、多分「賛美し過ぎ」みたいのがあるような気がしました。(おい…)
わたしが以前聞いたことのある日本家屋の話では、日本建築の場合収納の部分の考えがほぼなかったという話。ごちゃごちゃした部分がそのままだったり屏風でスッと隠すみたいな住まいだと聞いた事があります。すべてのことに光があれば影もある…長所があれば短所があるのも当たり前のことで、愛するって盲目にすると気持ちが悪いですよね。

だから論調で書くのが大切なのでしょう。
英語の小説はけじめがあるので読みやすいです。




中島敦山月記

青空文庫で読みましたが、こちらも文学に対する文学家の悩み、というような話。以前読んだ事があると思うのですが再読みです。短めの話で、わたしが読んだものは分かりやすく書いてあったので短時間で読めました。
中に出てくる漢詩がわからなかったのですがこちらにわかりやすくまとめられています。
山月記 李徴の漢詩 | 明治書院ブログ

こちらもきっと、作者の実体験なのだろうなと思います。作るに関する欲は誰しもが持つものなのでしょうね。



アンドロイドは電気羊の夢を見るか?


こちら、読んでいる途中ですが、初めに出てきた設定が以後一切出て来ないで物語が放射状に広がって行っている感じです。キャラの対話も、わかるようなわからないような、というふうになるのは訳と合っていないから??逆にいえばあやふやだったとしてもそういうことね!がひとつひとつと積み重なって行けば読めるのですが。
本を読むって本当、作者との会話ですよね。伏線がいつ結ばれてゆくのかたのしみながら読んでいる状態です!