「本を読む時間がない」といいつつも、「今はじめる人のための俳句歳時記」は読んでいたりします。とくに巻末の「付録」なる部分は初心に対して俳句というもののキモをわかりやすく、また先人の句を例に説明してくれていてとても良い…!
読んでいて思ったのが「俳句って、こんなに明確なルールがあるんだ」というところでした。
ざっと気になるものをあげてみるだけでもまずは
・俳句はフィクションではだめか?
・「写生」「客観写生」とは?
・推敲はどのようにするか?
・切れ字、そして三段切れとは?
・・・などなどと基本の知っておきたい点を網羅してくれています。
下から二つめの「推敲」にいたっては芭蕉、飯田龍太の推敲の過程があげられています。
こちらは芭蕉の①初案と②終案だそうですが、
①ほととぎす宿かる頃や藤の花
②くたびれて宿かる頃や藤の花
・・・どうでしょうか。こういうのを読んでいるだけでもおもしろいと感じます。
三段切れ、というのは五七五すべての句に切れがあるものをいうそうで、あまり良くない流れをさすのだそうです。芭蕉曰く、どこかにひとつでも切れがあれば良いそうで、必ずしも切れ字を強要はしない・・という考えだそう。
俳句の特徴は季語のほか切れ字というものがあると思います。というか、「切れ字」を学生以来で思い出した私である。今回読むまでちゃんとわかっていなかった部分だけれど、切れ字を置くことで五七五をより明確に意識する…ということなんだそう。つまり、俳句をするからにはリズム、言葉の流れも意識して然り、ということです。
そうなんです、五七五(短歌だとプラス七七)の上手い人はいろんなパターンでこれができているように思えます。特に連作ともなると一首、一句の内容だけでなくリズムの変化も意識されているとたのしいし、飽きることなく読みすすめられます。解体、切り取り、つなぎ、リズムを変えることも自由自在で、そのうえ博識でなければ詠むのは困難です。なぜって、すぐ、ネタ切れになります・・・そして詠むときは、まず感情をセーブすることが大切になってきます。感情まるだしで歌うとつい、力んでしまい、歌や句が破綻してしまうからです。さらには自分らしさを追求することに結局はなってきます。
そう考えると日本的でかっこいい文芸だと感じます。
それから、一つの句に一つの題材を入れ込む、または二つ以上のとのを入れ込むもの、写実、その次の段階のもの、などなども明確に区別され定義づけもされているようです。初心者の自分にとってはなかなか覚える部分がありすぎて一度では無理だなあ、という感じですが、まあこのへんは失敗しつつゆるゆると楽しんで学んでいくべきでしょう。
まあそんな感じで。結果として、読書がぜんぜん進まない。